NPO法人 熊本まちなみトラストは「記憶の継承」をテーマに30年近くにわたって歴史的・文化的遺産の調査、記録、検証、保存、復興、利活用に取り組んできました。特に2016年の熊本地震で被災した歴史的建造物の復興活動に対して、日頃の活動を通じた迅速で適切な対処により顕著な功績を挙げ、自然災害の多い日本で将来の文化財保存の活動についてひとつの範を示したとの理由で、この度一般社団法人日本イコモス国内委員会から日本イコモス賞を受賞することになり、2020年1月16日13時半から、唐人町のPSオランジュリにおいて記者発表が行われました。
2019年には冨士川一裕事務局長が熊本県文化懇話会から荒木精之賞を受賞し、それから連続して顕彰を頂いたことは、会員一同の大きな励みとなると同時に、歴史的な文化遺産の所有者の方々にとっても、勇気づけられることになったのではないかと思います。
下記に日本イコモス国内委員会の発表資料からの抜粋と、日本イコモス賞についての説明資料、記者発表の写真をご報告します。
===== 記者発表文(抜粋)=====
日本イコモス国内委員会
「日本イコモス賞2019」等の受賞者を決定しました
一般社団法人 日本イコモス国内委員会は、建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物及び歴史風土の保存、保全及び活用の振興をはかるため創設した「日本イコモス賞 2019」及び「日本イコモス奨励賞 2019」の受賞者を以下の通り決定しました。
「日本イコモス賞 2019」受賞者
NPO法人 熊本まちなみトラスト
業績 「熊本地震で被災した熊本市新町・古町の歴史的建築と町並みの保存及び復興への多大の貢献」
授賞対象について
日本イコモス賞:
文化遺産の保存活用理念、保存活用活動、保存活用プロジェクトの前進に貢献し優れた業績をあげた者に授与します。
授賞理由の概要
日本イコモス賞 2019 NPO法人 熊本まちなみトラスト
熊本まちなみトラストは、1986 年より熊本城下町の研究や建造物保存などに取り組んできた民間団体で、2016 年の熊本地震からの復興に多面的な活動を展開し、顕著な成果を挙げてきた。
その第 1 は、震災直後からの積極的な被害状況把握などの調査・広報活動と復旧・復興への提言発表棟の活動である。
第 2 は様々な見学会や講座等多くのイベントを主宰し、復旧・復興の情報共有と世論喚起等である。
第 3 は被災者に寄り添い、自治体等への歴史的建造物にかかる復旧・復興資金確保の提言と具体的な補助金申請支援等を行い、除却を防いだことである。
近年、我が国は地震、津波、洪水、台風、火災など大規模な災害に見舞われている。これらの災害への備えとともに、災害後の復旧・復興への迅速かつ持続的な活動は極めて重要である。熊本まちなみトラストの自発的な諸活動は、熊本のみならず他地域の今後の災害の復旧・復興支援の良きモデルとなった。
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