当日の議案書はこちら
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□ 日 時 2019年1月28日(月)18:30~20:30
□ 場 所 熊本大学まちなか工房
□ 参加者 理事9人(委任出席を含まず)、会員2人、事務局員1人
初参加ゲスト:合志マンガミュージアム館長・橋本博氏 計13人
委任状出席=8を加えた理事出席者数17人(理事総数 25人中)
□ 審議・決議・報告
【報告事項】
1.清永本店復旧工事寄付金贈呈式 2018 12.18
(1)主旨
- 合計144万円寄付金を出していただいた40名の寄付者に感謝し、名簿、模型と共に清永家に手渡す
- 関係者の方にも交流しながらご報告する 参加者総数25人
(2)KMTで購入したドローンを使った始めての空撮
- このときを初回として、今後2ヶ月に一度工事の進捗状況を動画で記録する予定
2.住友銀行旧熊本支店社屋見学会 2019 1.24
- 12月にカリーノ買取の公表があり、カリーノ様を表敬訪問し、見学会をお願いした。
- 快く対応していただき、当日も5人の社員様が丁寧な対応をしていただいた。
参加者総数 18人
【審議事項】
※今後の活動方針は総会議決を前提に議論すべきところ本日は理事長不在のため、ウォーミングアップの審議とする
1.事務局からの提案と資料の説明
(1)P4―P8(冨士川事務局長)
- 本日テーマは「NPO法人熊本まちなみトラストの将来展望と当面の活動方針」とする
- KMTの立ち位置は、
必ずしもそこ(熊本市中心市街地)に住んではいないが、そこをわが街として気にかけ、役に立ちたいという志を持ち、グループアクションを起こす集団
と言っていいかと思う。 - 平成28年熊本地震のあとの取り組みはP5~8にまとめている。震災の年は、現地事務所の開設と応急対応、1年後の2017年はWMF支援や補助金の取り込み、2年後の2018年は後藤商店、黒瀬商店、清永本店、吉田松花堂、北野町屋、野田市兵衛商店などが相次いで着工し工事中の状況。
- 今後、2019年は、それらの建物の修復工事が完了する。修復の時期から運営を支援する段階に入る。複数の歴史的建造物が地域資源としてアピールする仕組みや仕掛けをつくるなど、被連協の組織としての新しいあり方も求められる(市民文化遺産所有者等連絡協議会?)。それにともない、KMTの役割も変わることが必要とされる。
(2)NPO論「政策形成過程におけるNPO参加の意義の考察」(別冊)解題 (松波)
P9-11 ・・・要約はこちら参照
- NPOの3類型(段階)
- 「構造の穴」とNPOの役割 ・・・ 行政(公的セクター)と住民との間(穴)を埋める、橋渡しをする、結節点となる役割がNPOにあるのではないか。
従来バラバラだった被災文化遺産所有者をつないで協議会を立ち上げ行政と向き合える状態をつくったのはTMOのNPOらしい展開であったといえる。
図2のA=KMT、E,F=専門家、B,C=被連協関係者 ・・・ と考えられる。
「結節点」という言葉が出たあたりで議論に入った・・・
2.議論
(1)NPO法(特定非営利活動促進法)ができた20年前(平成10年/1998年)ごろのことで思い当たるフシ NPO法=1998、 熊本市自治基本条例=2010
- 20年前にNPO法ができた時のいきさつ。そのころの住民参加の希求。
反対運動から参加による創造的社会形成への変化。行政との協働。 - NPO法議論の過程では分野を狭く絞ろうとしたが結果的に間口が広くなった、と聞いた。
- ローカルでは、自治基本条例の制定と自治協議会の成立が、似た動き。
熊本の場合、一新校区と川尻校区は30年前から先駆的に市民参加によるまちづくりをすすめていたが、三角市長※1が新町と川尻をモデルにして市内の全校区に広げる構想を持ち、続く幸山市長※2が条例を制定して自治協議会に役割が置き換わった後、地域の独自性が少し薄れた感もある。
※1:1994-2002、※2:2002-2014 ※条例制定は2010(H22) - 自治協議会は従来の自治会との区別がつきにくく、自主的な活動には結びつきにくい。行政運営のお手伝い(補完機能/それ自体悪くはないのだが)になりがち。また、校区単位なのでエリアの制約もある。
- 行政のほうではNPO団体よりも自治協議会への期待が大きいようだ。
- 熊本市では近年、市内17箇所に「まちづくりセンター」を設置し『地域担当職員』を配置している(2017年4月~)。
(2)先進事例、奈良まちづくりセンター、世田谷マチセン、町田の例・・・から学ぶこと
先進的な市民団体と行政との関係はどうなんだろう
- できたころは刺激を受けていたが、今どうなっているのかよく知らない。
むしろポートランドなどのほうが最近視察、研究を行って知っている。 - KMTで視察団を組んだり、講師として招聘したりして研究してはどうか。
- ネット検索してみたが、当時のような先進性はなさそうな感じ。
(3)歴まち法(歴史的風致維持向上計画策定中)、熊本市グランドデザイン2050
とKMTの立ち位置
- 歴史的風致維持向上計画策定スキーム(図)では「NPO等、多様な主体の連携のもと施策を推進」とあるのだが、KMTはなぜ期待されないのか?
- 熊本市グランドデザインにおいても、市の政策策定過程のつなぎ役となって働いたが、結果として計画に外の意見は取り入れたくない、という感じで進んだ。
- トップは積極的に連携したいという思いはあっても職員が慣れていない、という面もある。
- 練習問題(モデルケース)が必要ではないか。
- 熊本市にあまりこだわることもないのではないか。熊本市は行政規模が大きく、官僚機構が硬直化し柔軟な対応ができにくいのではないか。熊本県(地域振興局)との連携や、玉名市民、宇城市民との連携を深めてはどうか。
- 震災後の活動経緯からしても、KMTにとって「歴まち」が試金石なのではないか。
- 被連協・清永部会(冨士川・磯田)、住友部会(竹田)は活発だが、歴まち部会(伊藤)が不活発。てこ入れが必要。
(4)その他
- 財政的自立が課題なのではないか。
- 確かに大きな課題だが、やはり「自分たちが何をやりたいか、やるべきか」が先だろう。
(5)まとめ
- 議論は次回に持ち越す
- 本日議論内容(11月、12月分も含み)を読み返し、皆で考えていただく。
※当面のことも踏まえ遠い将来の目標に踏み込んでほしい
3.郷士漫画ミュージアムでのNPOの役割の説明と討議
=本日、合志マンガミュージアム・橋本博 館長 初参加=
(1)「漫画」の特殊性(先進性)
- とにかく前例がない一方、国はクールジャパンに前のめりで予算をつけようとしてくるので、ほぼ全面的に丸投げの状態となった。
- 政策提言をし、採用されたが、NPO自身が弱体であったため、運営主体にまでは至らなかった。
- クールジャパンは万博までが盛り上がりのピークで、それ以降漫画というだけでどれだけ活動が続くのかについては疑問。
- 財政的には認定NPOになれば社会の認知度は比較にならないくらい高くなり、寄付も集まりやすい。行政からの信頼度も増すのではないか。検討に値する。
4.その他
けんちく寿(2/16@トークは早川倉庫)、五ヶ町サミット(2/16@川尻)等イベントの紹介
2/16は他にもイベントが目白押し。
次回例会/理事会 予定
2019(平成31)2月25日(月) 18:30 於:熊本大学まちなか工房