第一回 歴史を活かしたまちづくりを語る会 記録

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主催:五福校区自治協議会/五福ふれあいまちづくりの会/NPO法人熊本まちなみトラスト

オブザーバー参加:熊本市開発景観課

日時:2018(平成30)年10月2日(火)18:30~20:30

場所:熊本市中央区五福公民館(五福まちづくり交流センター)2階中会議室A

参加者

五福校区:上村元三、早川祐三、清永泰弘、木下光義、宮野桂輔 (5)

熊本まちなみトラスト:伊藤重剛、竹田宏司、豊永信博、鄭一止(以上まちなみトラスト歴まち部会)、磯田桂史、西嶋公一、青木勝士、本田憲之助、冨士川一裕、松波大仁、辻泰明 (11)

熊本市開発景観課:川崎栄二、村上亜紀、川野友寛、中野未香子、鶴﨑翔太、(5)     【合計:21人】

1.本日集会の主旨説明(伊藤(熊本まちなみトラスト理事長/歴まち部会部会長))

  1. 熊本地震 平成28年4月14-16日から2年半が経過した
  2. この間多くの町屋が解体され地区には数多くの空き地が出現し、歴史的環境が後退
  3. 地元の動き・・・・新町古町復興プロジェクトの活動など自主的・自発的な動き
  4. 熊本まちなみトラストも現場事務所の設置、ワールド・モニュメントの資金導入などの支援活動
  5. 熊本市は「歴史まちづくり法」を適用し、支援事業を進めるために「歴史的風致維持向上計画」を策定中  → 8月21日 第1回協議会が開催された。
    本日は、古町住民の方と熊本まちなみトラストの会員を対象に第1回協議会の報告を行い、加えて歴史を活かしたまちづくりについて意見交換、地域の将来像を共有したい。

参加者の皆さん

2.第1回熊本市歴史まちづくり協議会(8/21開催)の報告

(1)上村元三さん(古町代表委員)の報告

  1. 市全体の計画だから、市内で歴史を活かした街づくりが進められるような7つのエリアを特定して計画に盛り込もうとしている。そのうちの一つが新町古町を含む城下町エリア。
  2. 街づくりをすすめるために国の予算をいかに導入するか?
  3. この制度をどう活かすかを議論したのが1回目協議会の内容だったように思う。

(2)鄭イルジさん(学識委員)の報告

  1. 歴史的風致維持向上計画とは、歴史資源(ハード)と伝統ある活動(ソフト)の両面から街の個性化に光を当てること、と理解した。
  2. ハード、ソフトに「50年以上」という枠がはめられていることに限界を感じる。新町古町のまちづくり団体の活動も歴史的風致(環境)を維持向上させるための重要なソフトだと思うのだが。
  3. 多様な時代(歴史)と必ずしも歴史的な要素だけに限定しない地域文脈を掘り起こすことで、個性ある地域づくり、地震からの回復力を強める方法を自分なりに研究した成果を少しプレゼンしたい。

イルジさんのPPT 「熊本市新町古町における地域文脈の再解釈と共有」

  • 横浜市六角橋商店街における景観まちづくり(まちづくりガイドブック)の紹介
  • 地域文脈とは(氷山の一角)/地元住民たちが生業や暮らしをしていくことで、蓄積してきた地域文化やその空間/地域文脈に基づきながらも、変化しつづける仕組み。例)瓦の吹き替え、畳の取り替え、障子の張り替え/古町の場合、西南の役や戦災、震災による焼失を経て、現在の複数時代の混合型。「回復力」の高いまち。例)「町屋」 「一町一寺」 「細長い町割」
    →地域文脈・新旧共存のハイブリッド型熊本イズム

鄭一止氏(市の協議会委員)の提案

(3)熊本市・村上さんから制度について補足説明

  1. 歴史的風致維持向上計画(熊本市)があると国の支援策を導入できる(市だけの予算では限界)
  2. 歴史的風致(環境)の形成がポイントなのだが、地域の方たちの活動が具体的に道路空間に現れる「祭り」のようなものでないとなかなか(国に)説明しにくい。

熊本市開発景観課もオブザーバー参加

3.意見交換

(1)歴史的風致 をめぐって

  1. 7つの歴史的風致がバラバラなので熊本市全体としての歴史都市としてのイメージがはっきりしない。
  2. 山鹿の計画でも、八千代座を中心とした歴史的町並み(山鹿湯まち地区)と菊鹿古代の里地区、来民地区とは別物だ。市域全体を統一的に語るのは難しい。
  3. 「歴史遺産と周辺市街地」と「人々の営み、生活、活動」が一体となった環境=計画対象となる歴史的風致、という捕らえ方なのだが、「人々の営み」は、例えば川尻の醸造(瑞鷹酒造)や、城下町の中の現醸造所(マルイケ醤油)や醸造所跡(早川倉庫)における生業(なりわい)もあげられるのではないか。瑞鷹酒造や早川倉庫で開催される「酒蔵祭り」も「人々の営み」なのではないか。
  4. (少しはみ出すが参考までに言えば)明治から続く「学都」の伝統も現代の城下町エリアの若者文化の伝統につながっている。
  5. 清正の治水利水の土木遺産も「防災」という人々の営みと一体化した市街地として取り上げてはどうだろう。
  6. そういうものが、街で目に見えるような活動・音・におい として日頃から感じられ、それを(中学生にもわかるように)説明できるかが課題である(熊本市)。

(2)代表的な歴史的風致7エリアの一つ「城下町の祭礼等に見る歴史的風致」エリアについて

  1. 熊本地震の後城下町らしさが薄れてきた。歴史的要素がマンションの間にポツン、ポツンとしかない状態で危機感を持っている。
  2. 城下町に絞って議論したい。
  3. 「人々の営み」を多様に、重層的にレイヤーを重ねるようにして表現できないだろうか。京町・出町の市街地は、往生院をはじめとする寺社に来る人々の活動(墓参など)と一体となっている。新町・古町・横手もそうだ。
  4. 新町古町、上通地区では100年以上続く老舗の生業(お店の経営とそこに来る顧客)活動と歴史的建造物は一体となった風致を形成している(吉田松花堂、園田朝鮮飴屋をはじめとする老舗多数)。
  5. 佐賀市の計画は「城下町」の歴史的風致を中心に組み立てられているが、戎信仰や菓子文化等の「人々の営み」が重層的にとらえられていて参考になる。

4.協議会の今後の進め方

(熊本市からの説明)

①エリアごとにワークショップを開催する予定

②パブリックコメントも予定している

(計画変更について)

③短期間に網羅することに無理があるので、計画認定された後に追加変更することは可能か?
(協議会でも川尻委員から同様の意見があった)

④難しいが、事例はある(熊本市)。

(熊本地震との関係)

⑤歴まち法と維持向上計画の認定は震災復興を前提にした制度ではないが、地震からの復旧を強調することで国の担当者の共感を呼ぶことも必要かと思われる。

5.この会の今後の進め方について

  1. 今回は古町だけに呼びかけたが、新町と連携した会を持つことも必要。
  2. 本日の参加者が少なかったこともあり、古町を対象に近い時期に再度この会を開催する。

(事後、熊本まちなみトラストと自治協議会とで協議)
次回を10/24(水)に開催することで内定。

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