日 時 2017年5月7日(日)11:00~15:00
場 所 くまも文学・歴史館/江津湖畔
参加者 理事9人、会員4人、事務局職員1人 計14人
1.くまもと歴史・文学館『震災の記憶と復興エール』展
観覧 11:00-12:20 解説:青木理事
(1)震災の歴史
日本では古代から大地震に見舞われ復興してきた歴史がある
そのたびに復興してきたのだから、この度の熊本地震も必ず復興する
- 記録された最古の地震:筑紫大地震(天武7年/679年)
古墳(の石積み)が一定方向に崩落した現場が残っている - 熊本最古は阿蘇大地震(貞観年間/860年代)
- 八代・麦島城が崩壊した元和5年(1620)の地震
地震で横倒しになったか、地震後人力で引き倒したのか見解の分かれるところだったが
・・・・熊本地震・熊本城の十八間櫓の崩落した部材の断面形状から地震エネルギーで横倒しになったことがわかった - 記録に残る日本最大の地震=宝永地震(宝永4年/1707)南海トラフのほぼ全域
マグニチュード8.6
熊本の被害は少なかった
人吉城の櫓門崩壊し修理の許可申請が幕府に出されている - 都市直下型で平成28年熊本地震に似ているのは『明治22年熊本地震』
このときの記録、新聞社の記録、県の記録、個人の震災記録が残っている - 明治22年:熊本震災/明治29年東北震災
M22年に受けた義捐金のお礼で今度はM29年に熊本から東北へ義捐金が送られた事例
東京で新聞社を始めて間もない徳富蘇峰が多額の義捐金を熊本県知事に送った
熊本県をはじめ公務員が月給の2%を義捐金として拠出した・・・事例など
※「震度計が日本で始めて設置された時期であり、明治22年の熊本地震で、近代的な計測が始めて行われた
(2)文学
多くの文学者が色紙で熊本地震への思いを寄せられた
小川町出身の俳人・長谷川櫂氏の連歌・・・(一例を上げると)
ずたずたの春の女神が草の上
君たちが送る故郷の青山河
来て泣けといふふるさとの夏木立
(3)サブカル
多くの漫画家から熊本地震の被災者を元気づけようと作品が寄せられた
創作本「ひさいめし」ウオズミアミ・・・というのもあった。
(4)文芸(俳句・短歌・川柳・肥後狂句)
地域内外の人から夥しい文芸作品が寄せられた
→『震災万華鏡』として、くまもと文学・歴史館が資料化している。
(総括・印象)
熊本地震という貴重な体験が主としてコトバで記録されていた。
1) 風化させないため、2) 未来への伝承遺産として
このようなアーカイブは大切で、平成28年熊本地震の場合1) の要請が強いが、熊本まちなみトラストもそのような観点からの活動が望まれる。
※この企画展は5月29日まで9:30-17:15(毎週火曜+5/26(金)休館日)=無料=
※類似企画展覧会は
○熊本県立美術館(熊本城二の丸)別棟
『震災と復興のメモリー@熊本』5/21日まで9:30-17:15 =有料=
(入館は16:45まで/但し、5/8、5/15は休館)
○熊本市現代美術館『熊本市被災文化財のいま』7/2日まで =無料=
2.江津湖畔『湖鏡KOKYPO』でのランチ&ミーティング
13:00-14:30
12人が3つのテーブルに着いた
- 1卓の話題(豊永・鄭・松波・山田)
熊本へ来て間もない鄭さんのために、清正公さんとまちづくり、防災、仮設住宅のことなどもを紹介 - 2卓の話題(伊藤・森・磯田・本田)
東京の県人会等にもっと情報発信、働きかけて風化させないようにすべき
被災し復興した町屋を活用する知恵とノウハウ、人材を集めよう
見学会(例えば吉田松花堂)などで関心を集めることも - 3卓の話題(竹田・宮本・鈴木・冨士川)
歴史を帯びた家具等を再利用する(嫁入りさせる)活動
森本表具店取り壊し(5月末)・・・何らかのアクション必要では
文化財保存から歴史的資源の活用までの幅広い活動がこの団体の特徴
コンサベーションからリノベーションまでの柔軟かつ幅広い活動で歴史的環境の保全に力をつくそう
次回以降の例会予定
5月22日(月)18:30~20:00 通常例会/理事会 熊本大学まちなか工房
6月は
12日(月)18:30~20:00 イベント例会/理事会 熊本大学まちなか工房
26日(月)18:30~20:00 通常例会/理事会 熊本大学まちなか工房